日本での生活
Living in Japan

はじめに

 日本への留学を決定する前に、日本での生活がどのようなものであるか知る必要があります。
例えば、食事や住まい、大学や日本語学校の授業料はどのくらいかかるのか?日本のライフスタイルに適応できるかどうか?病気になった時どうすれば良いか?など、いろいろと心配になることもあるかと思います。安心して留学生活が送れるように、(株)ジャパン・フューチャー・センター(JFC)は日本での生活に関する必要な情報を提供しています。

日本へ留学する前に準備すること

情報を収集する

情報を収集する

日本へ留学する前に、日本での留学についてしっかりとした情報を集める必要があります。

例えば、

  • 毎年、アセアン各国で開催されるJASSO主催の留学フェアへの参加
  • お住まいの国の学校などが行う留学フェアに参加
  • 日本に留学経験のある先輩、友人に体験談を聞く・・・など

日本語学校を選ぶ

日本語学校を選ぶ日本語学校を選ぶときには、それぞれの学校のプログラムについて確認する必要があります。特に、大学への進学を希望する場合には、EJU(日本留学試験)やJLPT(日本語能力試験)対策のプログラムを持っている日本語学校を選んでください。

日本語学校は、日本語の勉強はもちろん日本での生活をサポートしたり、進学・就職するためのサービス・カリキュラムを提供しています。カリキュラムに沿って勉強すれば、日本語能力試験N2を1年あるいは2年で取得することも可能です。

日本語学校の入学時期は、一般的に4月と10月ですが、日本語学校によっては、他の時期にも募集していたり、サマースクールやウィンタースクールを行っている場合もあります。日本での留学を体験する目的でサマースクールを利用することもおすすめです。

大学を選ぶ

大学を選ぶ

日本の大学には3つのタイプがあります。国立大学と公立大学と私立大学です。最近の日本の大学は留学生向けのカリキュラムを充実させている大学が多くなっています。それぞれの大学の特徴は大学のウェブサイトを参考にすると良いと思います。

一般的に日本の大学は、EJU(日本留学試験)の結果とJLPT(日本語能力試験)N1/N2の取得を大学の入学要件としています。日本語能力試験のN2の取得は独学ではなかなか難しいため、日本の大学に入学する前に日本語学校に入学する学生も多くいます。

奨学金

留学には学費が必要になりますが、留学生のための奨学金が用意されています。

日本政府、政府機関、自治体、民間の奨学金
奨学金には、日本政府(文部科学省)の奨学金、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の奨学金、地方自治体及び国際交流団体の奨学金、民間団体の奨学金などがあります。
出身国の奨学金
出身国の国毎にも奨学金制度があり、これらを利用することもおすすめです。
大学の奨学金、授業料免除
大学毎に奨学金制度や授業料の減免制度を設けています。大学に事前に問合わせて活用すると良いでしょう。
日本語学校の奨学金、授業料免除
日本語学校毎に奨学金制度や授業料の減免制度を設けています。日本語学校に事前に問合せて活用すると良いでしょう。
経費支弁者

日本へ留学する前に、まず留学中の学費などを負担する経費支弁者を決める必要があります。大学や日本語学校への入学申し込みやアパートなどの賃貸契約の際には経費支弁者が必要となります。経費支弁者は留学中に必要となる経済的な負担をすることができる両親などになってもらう必要があります。学生が学費や賃貸料を支払うことができない場合は、経費支弁者が負担することになります。

日本での留学生活

  1. 在留カード

    日本で90日以上(3ヶ月)滞在する外国人は、在留カード(以前は外国人登録証と呼ばれていました)を所有することが必要です。この在留カードは英語で「レジデンスカード」と呼ばれています。

    在留カードは、羽田・成田・中部または関西の空港に到着したときに交付されます。それ以外の空港、港の場合、日本の市役所や入国管理局で手続きをする必要があります。また、空港で在留カードを取得した後には、14日以内に日本の市役所に居住地について報告しないといけません。

  2. 銀行

    外国人は在留カードを持っていれば、日本で銀行口座を開くことができます。日本の銀行ではサインではなく印鑑が必要となります。また、口座を開設するための最低預金額といったものはありません。少額からでも口座を開設できます。口座を開設すると通帳が渡され、後日、ATMカードが郵便されてきます。銀行の窓口に行かなくてもATMの機械で日常の生活に必要な取引はできることとなります。

  3. 健康保険

    3ヶ月以上日本に居住する外国人は、健康保険に入る必要があります。日本で健康保険に加入していない場合、病気の治療は全額自己負担となり治療費が高くなります。 毎月の保険料は収入や住んでいる地域などによって異なります。健康保険に加入すると、保険証が発行され、登録された住所に郵送されます。診療所や病院で健康保険証を見せると、治療費の30%を自己負担し、70%は保険でカバーされます。健康保険の申請は市役所でしてください。健康保険の登録は居住地の登録をするときに同時に手続きをすることができます。

  4. 電話

    1年以上日本に滞在する学生が、携帯電話を購入する場合、次のことを知っておく必要があります。

    電話

    基本的に日本の携帯電話の料金は後払いです。携帯電話を購入すると同時に電話番号を取得します。SIMカードを変更することもできます。請求書は毎月届き、近くのコンビニで払ったり、銀行口座から自動引き落としをすることもできます。

    日本でポピュラーなプロバイダーは3社あります。NTTドコモ、KDDI AU、ソフトバンクです。

    通常2年間契約で携帯電話を購入します。在留カード、銀行の預金通帳を準備する必要があります。契約の終了前に解約すると違約金がとられることがあるなど、一定の制約がありますので契約時にしっかりと確認しましょう。

    日本への一時的入国、またはその他の理由で携帯電話を購入する必要がない留学生には、いくつかの方法がありますが、今ではLINE、WhatsApp、Skypeなどインターネット経由で通信ができるので便利になりました。

    また、3Gをサポートする携帯電話を持って来て、日本のSIMカードを使うこともできます。日本で購入できるSIMカードはプリペイド式の場合、60日間有効で、料金は約3,000円から5,000円です。しかし、いくつかの欠点があります。例えば、インターネットサービスが限られたり、費用が高かったり、他のプロバイダーにSMSを送る時に特別なアプリケーションが必要な場合があります。

  5. アルバイト

    アルバイトアルバイトを希望する留学生は「資格外活動許可証」を持っている必要があります。資格外活動許可証は入国管理局に申請して交付されます。資格外活動許可が得られれば、原則として、1週につき28時間以内(夏休み等長期休業期間中は1日8時間以内)の公序良俗に反しないアルバイトが可能となります。アルバイトの時給は約800~1,200円/時間であり、勉学に必要な収入を得ることができます。許可を得ずに、または条件に違反して働いた場合は、本国に強制送還される可能性があり、くれぐれも注意してください。

    留学生は一般的に、レストラン、コンビニ、スーパーマーケットなどでアルバイトをしています。最近では語学力を活かして有名なホテルでアルバイトをする学生も増えています。アルバイトの情報を得るには、学校の掲示板や、アルバイト情報を扱っているウェブサイト・雑誌などで見つけることができます。アルバイトに応募する際は、履歴書や在留カード、銀行の預金通帳、パスポート(労働許可証の確認)、印鑑などを準備する必要があります。

留学した後の進路

留学した後の進路

日本語学校や大学を卒業した後、日本の大学・大学院に進学したり、社会人になって日本で仕事に就くことができます。日本の大学や日本語学校を卒業した場合、留学生にとって次のような利点があります。

  • 2つ以上の言語をマスターしていること(日本語と母国語プラスアルファ)
  • 日本の文化と外国の文化の双方を理解していること
  • 日本の若い友人・知人がいること

上記の利点により、母国と日本の架け橋として国際的なビジネスに従事したり、起業したり、多くのチャンスを得ることができると思います。

日本での就職

日本での就職最近の日本企業は、グローバル化の流れの中で、多くの外国人を採用しています。日本では、少子化、高齢化が進むなか、外国人を積極的に採用する企業が増えています。特に、日本語とアジアなどの母言語が分かる留学生は、海外展開する企業や、インバウンド観光、外食産業など、多くの企業に採用される機会が増えています。

留学生が日本企業に就職した場合、留学生ビザから就労ビザに変更する必要があります。また、卒業後、すぐに就職先が見つからない場合には、留学生ビザから特定活動ビザ(Designated Activity)というビザに変更する必要があります。特定活動ビザは就職活動中、日本に滞在することが許可され、6ヶ月有効で、一回延長することができます。

就職先を探すには、大学や日本語学校の就職担当の方に相談したり、政府機関や民間企業のサービスがあります。先輩や友人の話なども参考にしならがあなたに合った仕事を見つけましょう。

出身国での就職

出身国や出身国以外で就職を見つけることもできます。日本語ができることから現地の日系企業に就職する留学生も多いです。特に、アジアからの留学生は、現地で活動する日系企業も多いことから、日系企業や日本企業との取引がある企業などに就職することができます。

また、最近では出身国で仕事を探す際にも、日系の人材紹介会社などがあり、卒業後の仕事を探すことも容易になっています。卒業後の進路も安心して留学中の勉学に励んでください。